時効 中断 権利行使説 権利確定説


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時効の中断に対する、権利行使説と権利確定説

民法における時効の中断を生じる事由として、請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認があります。
これらがなぜ時効を中断させるのかについて、権利行使説と権利確定説とがあります。

権利行使説とは、権利行使がなされたことが時効の中断の効果を生じる根拠と考える立場です。実体法説に依拠した考え方で、消滅時効は権利行使を怠った結果であるから、それとは逆に権利行使によって時効の中断が生じるということになります。

権利確定説とは、権利の存在が確定されることが時効の中断の効果を生じる根拠と考える立場です。訴訟法説に依拠した考え方で、一定期間の権利不行使が権利の不存在を推定させるのであるから、その推定を破る事実が明らかとなれば、権利の存在が確定するなら、時効の中断を認めるべきということになります。

たんに債務の弁済を請求することは「催告」であり、完全な中断の効力を生じません。裁判に訴えなければ権利行使とは言えないとするなら権利行使説です。あるいは争いのある権利の確定には裁判ないしそれに準ずる公的手続きを用いるべきということなら、権利確定説ということになります。

「請求」の中心的内容をなすのは「裁判上の請求」です。
訴えの提起がされた時点で中断が生じますが、その訴えが却下または棄却の場合には中断はなかったことになります。棄却の場合、権利の存在が否定されるのだから生じようもありません。ただし、却下・取下の場合でも、訴えの提起は催告の効果を持ちます。「裁判上の催告」と言われるものです。
時効の中断に関するいずれの立場からも中断の効力を認めるに十分な行為である。

「承認」は、時効によって利益を受ける者が、時効によって権利を失う者に対して、その権利の存在することを知っている旨を表示すること(例えば債務者が、自己の債務の存在を認める行為)です。

権利行使説によれば、積極的な「権利行使」ではない「承認」になぜ時効の中断を認めるのか、説明しにくい。権利確定説によれば、権利不存在の推定が破られたのだから、時効の中断を認めるのは当然ということになります。

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